私の名前はニュウドウカジカ。
深海の底から、そっと伝えたいことがあるのです。
あなたがた人間は私を「ブロブフィッシュ」と呼びますね。かつて「世界一醜い生き物」という少しばかり悲しい勲章を贈られたこともあります。
でも、知っておいてほしいのです。あの崩れた姿は、私があなたがたの住む場所へ連れてこられた時に見せる「仮の姿」だということを。
この私、深い深い海の底では、強い水圧に守られて凛とした姿で泳いでいます。あなたがたの世界では、見た目の美しさを求める「ルッキズム」という波がどんどん強まっているようですが、私たちの住む深海では、少し違う現象が起きているのかもしれません。
どれほど歪に見えたとしても、それはこの過酷な環境を生き抜くために、私たちが選び抜いた究極の「適材適所」の形。飾ることのない、生きるための必然の姿なのです。
考えてみてください。人間だって、時の流れとともに体は柔らかくなり、若かりし頃の張りは失われていくものです。「老いゆく姿を笑うなかれ、それは誰もが通る道」――あなたがたの世界にあるこの優しい言葉は、きっと私のような存在にも向けられているのだと信じています。重力に身を任せ、形を変えていく姿を慈しむ心。それこそが、本当の優しさではないでしょうか。
姿かたちだけで、そのものの価値を決めつけないでください。
地上で「醜い」とされた私が、2025年に再び「愛すべき存在」として選ばれたように、本質を見つめる目は、時間をかけてゆっくりと育っていくものなのですから。
私がただの「塊(Blob)」として消えていくのか、それとも誰かの心に届く「記録(Blog)」になるのか。それは、このメッセージを受け取ってくださった、あなた次第です。
ルッキズムの加速する地上で、もしあなたが自分の形に迷った時は、どうぞ深海に住む私を思い出してくださいね。
私の友達のブログフィッシュからの、人類へのお手紙でした。


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