これは地方求人のリアルを肌で感じたお話です。
いつも利用するスーパーに置いてある地域の情報誌。
パラパラと捲ると、あるページで手が止まった。そこには、地元では誰もが知る大手企業の求人が掲載されていた。その企業の本社での「事務スタッフ」の募集要項だ。
【土日祝休みの事務スタッフ】
パソコンでの入力作業が中心。4〜5名程度の同時募集。未経験の方も歓迎。
時給:1,050円
「助け合い」の精神が根付いているので、急な休みもチームでカバー。家計に嬉しい社員割引制度もあり。
この記事を見て、まず胸を突いたのは「1,050円」という数字だ。
ご存じだろうか。令和7年10月から、私の地域の最低賃金は1,050円になった。この求人は、1円の端数もなく、その「最低ライン」をなぞっている。地元を代表する企業の「誠意」の初期設定が、県が定めたギリギリの時給にあるという現実。
「1,050円の椅子」であるのに、事務職倍率は0.5〜0.7。
つまり、二人に一つの椅子しかない。今の地方都市では、これは「喉から手が出るほど欲しい椅子」なのだ。座って仕事ができる、土日祝が休める。その条件さえあれば、最低賃金であっても人は来る。企業側も「この金額でも代わりはいくらでもいる」と高を括っているのだろう。
しかし、そこには大きな見落としがある気がしてならない。
今は家庭の事情で「条件」を優先し、この椅子に座る人たちも、子どもの成長などで動ける制限がなくなれば、こんな最低賃金の場所などさっさと「踏み台」にして、より時給の良い、自分を正当に評価してくれる場所へと去っていくだけではないだろうか。
この事務職の求人票には「アットホーム」という手垢のついた言葉はない。代わりに「助け合い」という美しい言葉が並ぶ。けれど、そこにはあの独特の匂いが漂う。
これは、急な休みをあまりしない、小さな子どものいない人にとっては、自分側(片側)だけの負担になる危険な匂いだ。
さらに、土日祝休みは【配属部署により異なる】とある。
土日祝休みでない部署への配属や、欠員が出た際の駆り出される可能性。これもまた不穏な匂いがする。
私はこの企業を糾弾したいわけではないゆえ企業名は伏せている。ただ、地方の労働市場の「リアル」を知ってもらいたいだけだ。事務職が代えのきく人材として扱われ、大事にされていないというやるせなさを感じる。
私の勤める企業は同地域の他業種だが、時給は今1,060円。事務職に近い仕事で9年目になるというのに、この水準だ。定期的に上がったのではなく、最低賃金の引き上げに背中を押されただけ。
私の経験から言えるのは、最低賃金スタートの場所で、いつか納得を感じる額に到達する日は、まず来ないのではということだ。この椅子に座り続けることは、想像以上にリスキーである。
時給額はその企業の誠意であると私は思う。今の職場で誠意を感じない点は時給はもちろんだが実は他にもある。だが、ここで声を荒らげないのが、私の持ち合わせたビジネスリテラシーなのだ。

コメント
とうかちゃーん!!
チワワだよ
ブログ開設おめでとー。
すごい、めっちゃ上手に書いてる!!
さすがです。
ありがとうございます!!新品のノートパソコンを思い切って買って良かったです。何とかなってホッとしてます。